降圧効果のある食材
血圧を上げる要因の食べ物を徹底排除し、降圧作用のある食材を積極的に摂る
高血圧を改善するにあたり食事のウェイトは非常に大きいのですが、降圧効果のある食習慣がとても重要です。
血圧上昇要因となる精製塩は今スグにやめる
精製塩は体の調和を乱すのでよくない
塩分の摂りすぎは血圧を上げる。これは言うまでもなく常識です。高血圧を予防するために、世の中をあげて減塩食が推し進められています。日本人は、もともと塩をたくさんとる民族でした。 しかし、そのわりには健康でした。
アメリカで行われた大規模な栄養調査では、「江戸時代までの日本の食事は理想に近い」とされています。その中には、当然、塩分の多いみそやしょうゆ、梅干しといった、日本の伝統食も含まれているはずです。「高血圧=塩のとりすぎ」この図式には、大きなうそがあります。なぜなら、そこには塩の中身のことが全く考慮されていないからです。現代人がとっている塩は、昔の日本人がとっていた塩とは別のものです。今の塩は、海水をイオン交換膜という機械で電気分解して作る精製塩（食塩）。です。
昔の日本人がとっていた塩は、海水を釜で煮詰めたり、天日で干したりして、時間をかけて作る天然塩です。精製塩と天然塩では塩の組成が異なります。 精製塩は、純度99.9％ の塩化ナトリウム。一方、天然塩には、体の代謝を保つのに重要な、60種類以上の微量ミネラルが含まれています。
ナトリウム以外の代表的なものは、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛などです。 確かに精製塩は、血圧を上げます。しかし、天然塩に含まれるミネラルは、その塩化ナトリウムの作用を緩和し、血圧を調整する方向に働きます。ミネラルは相互につながっており、ミネラルどうしで相乗作用を示したり、相殺したりしながら働いています。
ですから1つのミネラルだけが多量に入っている精製塩は不自然で、むしろ体の調和をくずす原因になるのです。もうおわかりでしょうが、血圧を上げるのは化学的に作られた萱です。多種類のミネラルが含まれている天然塩なら そんなに心配することはありません。
天然塩は、むしろミネラルの補給のために、体に必要なものなのです。血圧を上げないために確実にいえることは、精製塩をやめて、自然の製法に近い天然塩をとることです。天然塩もさまざまなものが出ていますが、まずなめて味をみてください。ミネラルの多いものは、ただ塩辛いだけでなく味に丸みがあります。また、パッケージに表示されている成分表を見て、ミネラルの含有量を確かめることも大事です。日本人はマグネシウムが不足しがちなので、マグネシウムの多いものがお勧めです。成分表示のない塩は論外です。
砂糖も血管をいためてしまう
精製塩と並んで、摂取してはいけないものが、砂糖です。砂糖は精製された白砂糖だけでなく、黒砂糖やてんさい糖も控えたほうがいいでしょう。これらは体内にダイレクトに吸収されて、脳神経を傷めたり、アレルギーや生活習慣病の発症につながります。 血圧にも、当然よくありません。甘い物（糖類）をとりすぎると、血糖がたんばく質と結合し、最終的にはAGEという毒性の強い物質を件ります。これ が血管を傷つけりて、動脈硬化を促進します。動脈硬化が進行すると、血管が硬くなって血圧が上がりやすくなるのです。
また、糖をとりすぎて糖尿病になると、腎機能が低下します。腎機能は血圧と関係が深く、機能が落ちると、水分やナトリウムの排出が悪くなったり、血圧を上げるレニンという酵素がふえたりして、血圧が上がりやすくなります。
このように糖は、直接血圧を上げなくても、間接的に、確実に、血圧に悪い影響を及ぼします。高血圧を語るとき、避けて通れないのが血圧の基準値です。人問は、年を取れば自然に血圧が高くなっていきます。ところが、血圧の基準値はどんどん引き下げられてきました。1978年にWHO（世界保健機構）が定めた高血圧の診断基準は、最大血圧160mmHG以上、最小血圧95mmHG以上でした。
しかし現在、最大血圧140mmHG以上、最小血圧90mmHG以上が高血圧と診断され、最大血圧130mmHG未満、最小血圧85mmHG未満が正常とされています。若い人ならいいでしょうが、60代以上の人がこれでは低すぎます。60代以上なら、むしろ150mmHGくらいあるほうが普通で、末梢にも血液が届きやすくなります。70代で最大血圧が160mmHGだった人が、精製塩を自然塩に替えて150mmHGまで下がったとしましょう。それでも、現在の基準値ではまだ高いことになります。 つまり、現在の血圧の基準値自体がおかしいのです。適正血圧は年齢によって違います。何が何でも基準値に下げるのではなく、その人の年齢に適正な血圧まで下がればいいのです。そのほうが、本来は健康なのです。
