降圧効果のある食材
血圧を上げる要因の食べ物を徹底排除し、降圧作用のある食材を積極的に摂る
高血圧を改善するにあたり食事のウェイトは非常に大きいのですが、降圧効果のある食習慣がとても重要です。
血圧を下げるための降圧食「チョコレートをちょこちょこ食べる」
わずか食べるだけでも降圧効果が期待できる
世界で親しまれている、チョコレート。チョコレートをはじめとするカカオ製品は、食べておいしいだけでなく、古くから健康に役立つ妙薬として珍重されてきました。そして近年、カカオにはほかの食品に比べて多くのポリフェノール(色素成分) が含まれていることがわかり、健康効果が解明されつつあります。
その効果の1つとして注目を集めているのが、血圧降下作用です。盗作外において、多くの疫学調査や臨床研究が行われており、「チョコレートを食べると、血圧が下がる」ということを結論づけた論文が、釣150もあるのです。では、早速その一部です
ある研究では健常な人を2群に分一け、一方にはポリフェノールを含むダークチョコレートを、もう一方にはポリフェノールを含まないホワイトチョコレートを、それぞれ15日間にわたって、1日100gずつ摂取してもらいました。すると、ホワイトチョコレートの群では血圧が変化しませんでしたが、ダークチョコレートの群では、顕著な血圧の低下が認められたのです。
だし、この研究のように、1日100gのチョコレーl卜を摂取していては、カロリーの過剰摂取が懸念されます。 しかし、1日にチョコレート1片程度を食べるだけでも、血圧が下がることを証明した研究もあるのです。
これは、ドイツのケルン大学が行った実験ですが、56~73歳の血圧が高い人を、1日にダークチョコレートを6.3g食べてもらう群と、ホワイトチョコレートを同量食べてもらう群に分けて、18週間観察しました。
その結果、ダークチョコレートを食べた群は、平均で最大血圧が2.9mmHG、最小血圧が1.9mmHGほど下がりました。その際、体重、コレステロール、血糖などに変化はなかったそうです。
一方、ホワイトチョコレートの群は、血圧に変化はありませんでした。ダークチョコレートを食べた群で血圧が下がるのは、ダークチョコレートはカカオの含有量が高く、ポリフェノールを多く摂取できるからでしょう。 ところで、テレビのある健康番組で、日本の大手製菓メーカーを調査したところ、興味深い事実がわかったそうです。
工場などで、毎月チョコレートやココアの試食や試飲をしている社員の血圧だけでなく、本社勤務の社員の血圧も正常値だったというのです。
これは、社内に無料のココアサーバーが置かれていたり、自社製品のチョコレートが食べ放題だったりと…ふだんカカオを摂取する機会に恵まれているためでした。
コレステロールの酸化を抑え動脈硬化を防ぐ
ちなみに、カカオに含まれるポリフェノールのうち、血圧降下を促すのは、エビカテキンの作用だと考えられます。エビカテキンは、ブドウやリンゴ、緑茶などにも含まれていますが、食品の中ではだんとつででカカオに多く含まれているのです。チョコ-レートを食べると、小腸ででエビカテキンが吸収され、血液中に流れ込みます。すると、血管の収縮をつかさどる血管の内皮細胞に取り込まれ、その活動を活性化します。そのため、血管が拡張し、血圧の上昇をおさえることができるのです。
また、エビカテキンは、悪玉コレステロールの酸化をおさえ、動脈をしなやかに保つ働きがあることもわかっています。これにより、動脈硬化を防ぐ効果も期待できるのです。
実際、チョコレートを食べることで、早期の動脈硬化の指標となる、FMD(血管拡張反応) の数値が改善するという報告があります。FMDの改善は、動脈がしなやかになつたということを表しているのです。数あるチョコレートの中から、甘さ(砂糖)をおさえたカカオの含有量の多いダークチョコレートを選んで常食するといいでしょう。
ダークチョコレートはビターチョコレートやブラックチョコレートともいわれ、ミルク(乳製品) の入らない、低糖でカカオマスが40~90%含まれるものを指します。チョコレートの食べ方は、1皮にたくさん食べるよりも、時間をおいて、少量のチョコレートをちょこちょこ食べるほうがいいでしょう。
こうした方法で摂取すると、血中のエビカテキンの濃度を常に高い状態で保つことができ、高血圧の予防・改善に役立つと考えられます。ただし、チョコレートの血圧降下作用を得るためには、まずタバコや塩分、脂っこい食事などを控え、基本的な生活習慣を改めてください。そうでないと、その効果を得ることは難しいでしょう。