血圧を下げるための特効療法

血圧を下げるための習慣として「特効療法」と呼ばれる方法も試してみる価値はあるかもしれません。時間がかかっても少しずつ意識して改善することで血圧が下がるきっかけになる場合もあります。

老いてしまった血管をしなやかに若返らせる

血行を改善するとメリットがたくさん

血管は、生まれたばかりのときはしなやかで、血管の内側も滑らかです。血液がスムーズに流れ、詰まりにくい状態にあります。ところが、年とともに、血管のしなやかさがしだいに失われてきます。血管の若さは年齢相応の人もいれば、実年齢に比べて老化が進んでいる人もいます。

試しに血管年齢を調べてみて、実年齢より老化しているとわかればショックでしょう。だからといって、気落ちすることはありません。実年齢より老いた血管を、若返らせることは可能だからです。

血管が若返れば、動脈硬化や高血圧などの予防・改善にもつながります。 血管の若返りという点で、注日されているのが、NO(一酸化窒素)です。

NOについてふれる前に、まず、血管の構造についてです。血管は、内側から、「内膜」「中膜」「外膜」という3つの層からできています。このうち、内膜を構成しているのが、血管内皮細胞です。血管内皮細胞は、血液の流れに接して、血液内のさまざまな変化をキャッチし、血液と血管壁の状態を微妙に調整する役割を果たしています。

この血管内皮細胞から分泌されるのが、NOです。NOは、血管内のコブや血管の炎症、血栓のもとになる血小板の凝集や血液の凝固を防ぐ働きをしています。

また、中膜を構成するのが平滑筋で、平滑筋が伸縮することで、血圧を正常に保っています。NOはこの平滑筋に働きかけ、血管を拡張させます。内皮細胞が衰えると、平滑筋は収縮したままの状態が続き、高血圧を招き、やがて血管のしなやかさも失われていきます。 この意味でも、NOの働きはとても重要なのです。逆に、NOの分泌をふやせれば、動脈硬化が改善し、高血圧などの生活習慣病に有効であるわけです。

では、NOは、どんなときに分泌されるのでしょうか。NOは血行が促進し、筋肉内に流れる血液量がふえると、分泌量が増加することがわかっています。

それには、下半身をよく動かすといった運動などが勧められます。バスの運転手が運転中に、心筋梗塞や脳卒中を起こして意識を失ったというニュースを、耳にしたことがあるでしょう。 少し前の調査で、パスの運転手には、血管病による事故が多発するものの、バスの車掌には血管病が少ないと報告されています。

つまり、立って足を動かしている車掌は、それだけNOの分泌量が多いため、血管がしなやかでいられるのです。

NOをたっぷり効率よく分泌させる3つの方法

4kgの減量で血管年齢が7歳若返る

運動と並んで、特にお勧めしたいのが入浴です。30分の入浴は、軽いジョギングをしたくらいのエネルギー消費に匹敵します。それだけのエネルギーを消費するということは、全身の血流がよ くなることでもあるので、入浴によって、血管内皮細胞からより多くのNOを分泌させられるのです。

次に、入浴のタイミングですが、夕食後30分~1時問の問に、10分ほどウォーキングや軽い運動をしてから、入浴することをお勧めします。それは、食事でとったエネルギーを消費し、より血流を 促すためです。そして、入浴の1~2時間後の就寝が理想的です。

シャワーで汗を流すだけでなく、39~41度の少しぬるめのお湯に、ゆったり20分はつかりましょう。食後に運動ができなかったときは、浴槽内で手足をグーパーと何度か問いたり閉じたりしながら、ひじ、ひざ、足首を曲げ伸ばしてください。

また特に、高齢者や高血圧のかたは、冬場の入浴の際、十分な注意が必要です。脱水と温度差によって、血液がドロドロになり、急激な血圧の変動が起こるためです。入浴の前後に必ず水分を補給し、寒い季節は脱衣場や浴室を温め、室内との温度差をなくすように配慮するようにします。。 生活習慣しだいで、血管は若返り、高血圧を改善できるのです

血管はもっと若返るではこのページで紹介した以外の血管の若返りのポイントが紹介されています。

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