血圧を下げるための特効療法

血圧を下げるための習慣として「特効療法」と呼ばれる方法も試してみる価値はあるかもしれません。時間がかかっても少しずつ意識して改善することで血圧が下がるきっかけになる場合もあります。

200mmHGもあった血圧が「グーパー体操」で

激務で上がった血圧が1ヶ月で下がった

私の血圧が上がり始めたのは、50歳のころでした。最大血圧が140mmHGを超えるようになったのです。元来、我が家は高血圧の家系で、父と、父方の祖父は、脳卒中で亡くなっています。私もその血を受け継いだようです。さらに血圧が日立って高くなったのは、40歳のころ、今から18年ほど前のことでした。

当時、私は激務でくたくたの毎日でした。しかも仕事も24時問体制で行っていたのも大きく影響していたように思います。そんな激務がたたったのか、ある日、血圧を測ってみると、最大血圧が200mmHGにも達していたのです。すぐに降圧剤の服用を開始し、食事にも気をつけるようになりました。

外食や問食をやめた時期もあります。しかしながら、仕事の忙しさは相変わらずで、高血圧に伴う頭痛も自覚していました。今から思えば、父や祖父のように、いつ脳卒中が起おってもおかしくない状態でした。

そうした危機的状況を打破するために、私が考案し、実行したのが「グーパー体操」です。グーパー体操は、あおむけになって腕を上に伸ばし、手を開いたり握ったりする体操です。私は朝起きたときに、年の数だけ、このグーパー体操を行うようにしました。すると、2~3週間後から血圧が下がり始め、1ヶ月後には基準値以内に落ち着いたのです。また、顔痛も大幅に軽減しました。

足の指も行うとより効果的

グーパー体操をすると、なぜ血圧が下がるのでしょうか。

人の体には、末梢血管である毛細血管が、約400億本も張り巡らされています。このうちの約7割に当たる約300億本が、手足にあると考えられています。毛細血管の血流が悪くなると、なんとか血管巡らせよう として、血圧が上がります。寒くて手がかじかんだとき、無意識に手をグーパーさせたり、手をこすり合わせたりするでしょう。

こうすることで、毛細血管が拡張し、血流が改善します。すると、心臓が無理に血液を送り出す必要もなくなり、血圧が下がるわけです。また、グーパー体操をすることで、腕の筋肉が使われます。その結果、筋肉周辺の血管が拡がり、血圧が下ります。

両腕をまっすぐ上に伸ばすことにも意味があります。手を心臓よりも高い位置に持ち上げれば、滞りがちな毛細血管の血流が、重力の働きによって著しく促されます。

余裕のある人には、手と同時に、足の指も閉じたり開いたりすることを勧めています。手足双方の毛細血管の血流がよくなれば、高血圧の改善に多大な効果をもたらすのは明らかです。

足のグーパーを行うときのコツは、両足の下にタオルや枕、座布団などを敷 いておくことです。こうすると、足の位置が心臓より高くなり、重力の作用で足先から心臓へ血液が戻りやすくなります。

さらに足摺をグーパーさせると、滞っていた血流が促され、高血圧の改善につながります。グーパー体操は、いつ行ってもかまいませんが、自分の年齢の数だけ行うのが目安です。

50歳の人なら50回、60歳の人なら60回行うのを目標にします。年を取るほど、血管のしなやかさが失われ、毛細血管の血流が悪くなるからです。ただし、運動習慣のない高齢のかたは、自分の年齢の数を行うのは難しいかもしれません。その場合は、1日の回数を最低30回とし、少しずつふやしていきましょう。あるいは、1日で何回かに分けて、年齢の回数をこなしてもけっこうです。

また、腕を伸ばすのがつらければ、曲げたまま行ってもかまいません。 私は、今も年の数だけりグーパー体操を続l+りています。軽い降圧剤は飲んでいるものの、最大血圧が130~140mmHG、最小血圧が70mmHGという良好な状態を保つことができています。

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