日本の伝統食材「梅」の歯周病・虫歯予防効果について

梅干しブラッシングが歯茎を引き締める!

むし歯菌の活動を抑える

あまり耳にしない「梅干しブラッシングですが、梅の効能、効果を利用したむし歯予防を紹介します。

きっかけは、ある女性の「祖母は、昔から梅干しで歯磨きをしています。その効果か、入れ歯は1本もありません。梅干しは歯や歯茎によいのでしょうか」というものでした。

それから医院のスタッフ9名で、梅干しを使った口内ケアの実験を行うことになりました。

塩分5%の梅干しを用意し、そのpH値(酸性、アルカリ性の度合いを示す指数)を調べました。測ってみるとpHが2.0と低く、強い酸性を示します。しかし、梅干しを口の中に含み、唾液のpHを測ると、中性(pH7)に近づきました。梅干しの強い酸性は、唾液によって中和されるのです。

強い酸性を示す梅干しは、口内ケアにとってプラスである反面、マイナスにもなります。梅干しのクエン酸は、殺菌力が高いので口内の洗浄・制菌効果は強力です。酸に弱いミュータンス菌(別名・虫歯菌)などは活動をおさえ込めてしまうでしょう。その一方、梅干しで毎日ゴシゴシと歯をこすると、酸で表面のエナメル質が溶け、歯が弱くなる可能性があります。

ですから、梅干しで直接、歯を磨くことはやめたほうがいいでしょう。しかし、梅干しを上手に利用すると、歯周病や虫歯の予防に期待できます。要は賢い活用ができるかにかかっています。

考案した梅干しを使う口内のケア(梅干しブラッシング)は、ブラシを2列にした歯ブラシに梅干しの果肉をつけて、歯と歯茎の境目や、歯と歯のすきまに押し込むように、2分間ぐらいブラッシングするというものです

  1. 虫歯や歯周病の予防改善効果
    基本的には歯石や歯垢(プラーク)を取り、口の中をきれいにすれば自然に治ります。しかし、磨き残しをしてしまう人も少なくありません。梅干しでブラッシングをすると、唾液の分泌量がふえます。唾液は、口の中の食べ物のカスを洗い流し、細菌の増殖をおさえる抗菌作用があります。さらに、梅干しのクエン酸には強い制菌作用があります。こうした洗浄・抗菌作用と磨くことで、歯周病や虫歯を予防すると考えょられます。また、歯肉の腫れや炎症もおさえられます。
  2. 消化を助ける効果
    唾液の分泌量がふえると消化酵素のアミラーゼもふえ、でんぷんが消化されやすくなります。また、梅干しが唾液といっしょに胃の中に入ると、胃酸の分泌もさかんになります。ストレスが強いと胃酸の分泌が低下して、消化不良を起こしやすくなります。しかし、梅干しブラッシングで胃酸が出ると、消化が助lナられて胃がスッキリします。

こうした効果を考えると、梅干しブラッシングは、歯周病や胃もたれに悩んでいるかたに、お勧めの口内ケアといえます。梅干しブラッシングは、歯茎や歯と歯の間に軽く押しっけるように行います。強く押しっけず、2分ほどで終わりにします。食後ではなく、食前に行ってください。口内の細菌は、食べ物を噛むことで血中に流れ込み、それが免疫力の低下を招くといわれています。食べる前にブラッシングして、口の中をきれいにすれば、菌は悪さをしません。また、就寝前にも行ってください。口内の菌は、唾液の出ない就寝中に増殖するからです。

梅の成分をぎゅっと凝縮した梅肉エキスならさらに効果は倍増です。少しクセがありますが濃度がとても濃いので効き目も倍増です。

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