心は色であらわせる

心の三原色は混じり合って多彩な心模様をつくり出す

心というのはどこにあるのでしょうか

脳イコール心の色

心は脳内にある

心はどこにあるのでしょうか? 心臓のあたり?ノルアドレナリンドーパミンいいえ、実は脳のなかにあります。脳にある3つの脳神経が動くことにより、多彩な心模様が生まれます。

脳の動きは光の三原色と同じ、赤・青・緑に分けられます。3つの色が働くことで、心が真っ赤に燃え上がったり、ブルーになったり、黄色信号がともったりするのです。理想は3つの心が重なり合った無色透明。これがいちばん、ストレスを感じない状況なのです。

赤の心ドーパミン神経「ポジティブな気持ちや本能的な欲求をあらわす意欲の心」

赤の心をあらわすのは、ドーパミン神経。中脳の腹側被蓋野というところにあり、軸索は大脳の前頭前野や大脳辺縁系など、心や感情に密接に関連する領域に伸びています。

赤の心をあらわすのは」ドーパミン神経。中脳の腹側被蓋野というところにあり、軸索は大脳の前頭前野や大脳辺縁系など、心や感情に密接に関連する領域に伸びています。

ポジティブな気分、舞い上がりたい気分など、神経で、「意欲の神経」とも呼ばれます。また、るものを求めたがるのも、赤の心。恋をしたい、ものを食べたいと思うのは、ドーパミン神経の働きによるものなのです。ドーパミン神経がなければ、食欲も性欲も感じなくなり、生物として体を維持できませんし、無気力になってしまいます。はつらつとした心のために、ドーパミン神経はなくてはならないものですが、あまり強く影響しすぎると本能的な欲求が抑えきれなくなります。依存症になることもドーパミンの暴走が原因です。

青の心ノルアドレナリン神経「ストレスの刺激によって興奮する」

冷静な青のイメージは、ノルアドレナリン神経。精神的、肉体的なストレスによって興奮する性質を持っています。外部からストレスの刺激を受けると、興奮したノルアドレナリン神経が、その刺激を敵とみなし「戦うか」「逃げるか」という判断を下します。プレッシャーを感じたとき、血圧を上げて心臓をドキドキさせるのも、意地悪な人を見るとイラッとしてしまうのも無視して、避けるのも、ノルアドレナリンの仕事。このおかげで、人間は危険なストレスの元に近づかず、必要なら逃げることで生き延びることができます。言ってみれば、脳内の危機管理センター。ただ、ノルアドレナリン神経が暴走してしまうと、必要以上にストレスに反応することになり、気持ちがいつも落ち着かず、イライラすることになります。キレたり、パニック障害にかかったりするのも、ノルアドレナリン神経が興奮しすぎている状態です。あまり強く働きすぎると、逆にストレスを増やす原因にもなります。

緑の心セロトニン神経「欲望の赤と不安の青を上手に制御して平常心をつくり出す」

ポジティブな欲求をあらわす赤、ネガティブな不安を危機管理に変える青、このどちらも暴走させることがないようにコントロールする制御装置が、セロトニン神経。色にたとえるなら、緑です。

れしいことがあっても舞い上がらず、ストレスに対しても落ち込んだりキレたりしない平常心をつくり出すのです。脳で感じるストレスを受け流し、おだやかな生活を送るために、セロトニン神経は欠かせません。これを鍛えることで、幸せ脳内物質セロトニンが分泌され、心身によい影響を与えます。

セロトニン神経を鍛え上げると、まるで高僧のような無欲で何事にも動じない心が手に入りますが、特に若い人の場合、セロトニン神経が働きすぎると、かえってつまらない人生になるおそれもあります。赤・青が、ときに大きく動いて心が乱れることも、人間らしさ。暴走しそうになったら緑で制御する、という状態が理想です。

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