お釈迦様 vs ストレス

逃れられないストレスとの付き合い方を考えた

ストレスとの闘い方と解消方法

ストレスにどうやって立ち向かったいいか

お釈迦様が考え出した答えは

2000年以上も前に、ストレスと戦い、ストレスの正体と解消する方法を突き止めた人がいました。

仏教の開祖、お釈迦さまです。お釈迦さまは幼いころから影を落としていた死の不安をなくし、心の平安を得ることを目的として、修行の森に入って自らに苦行を課しました。断食、極寒、猛暑、猛獣と対崎するなど、あらゆる方法で体をいじめ抜き、自分にストレスを与えたのです。当時の修曝者たちの間では苦行をすることで一切の苦しみがなくなると考えられていたからです。

しかし、お釈迦さまは、6年間の苦行の末、このような苦行では心の平安は得ることができないと判断しました。そのまま修行の森を出て、菩提樹の下で、静かに瞑想をしました。

ストレスはなくならないが、どんなストレスも永遠には続かない

菩提樹の木の下でお釈迦さまは悟りを開きました。「生きている限り、さまざまな不満や苦しみ=ストレスからは逃れられない」( 四苦八苦)「どんな幸せも、ストレスも永遠には続かない」(諸行無常)という結論を導き出し、ついに心の平安を得たのです。.お釈迦さまは「入息出息法」という呼吸法を行いました。これははいて、はいて、はききる腹筋呼吸です。これによって、苦行でも得られなかった、おだやかな心の状態を呼吸法で実現できることを証明したのです。

呼吸法の心身への効果を示してくれた

セロトニン神経を鍛える腹筋呼吸の典型として、私は坐禅の呼吸法に注目して、さまざまな検証をしてきました。その過程で、お釈迦さまが呼吸法を考え出した前後のことをいろいろ調べていくうちに、お釈迦さまこそが、腹筋呼吸・セロトニン・トレーニング究極の達人であると思うようになりました。

お釈迦さまが最初に行った苦行は、脳内危機管理センターであるノルアドレナリン神経の動きを検証したものです。ストレスに反応するノルアドレナリン神経を苦行で刺激することで、心身にはさまざまな影響が出たのでしょう。

そして、菩提樹の下で呼吸法をして自己の求める悟りの境地に達し、発見したものが、セロトニン神経の活性化が心身にもたらす効果です。

呼吸法によってお釈迦さまは、何事にも動じず、ストレスがきてもさらりと受け流せる心を得ています。このとき、脳内では、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンの3つの神経が完全なバランスで混じり合っていたのでしょう。心の三原色で言えば、無色透明の心です・。

ストレスに免疫はつかないから消失するまで静かに待つ

お釈迦さまは自分で自分にストレスを与えて、それを乗り越えようとしました。免疫をつけて慣れていこうとしたのです。しかし、それは不可能でした。ストレスには免疫はつきません。修行者であったお釈迦さまでさえ乗り越えられるものではなかったのですから、一般の私たちががストレスと戦っても、勝てるわけがないし、苦しむのも当たり前なのです。

戦うのではなく、ストレスと寄り添って受け流してしまうことが、結果的にストレスのない暮らしに結びつきます。坐禅の呼吸法を苧30分、行うと、爽快感が体を包み、心が軽くなります。これが、ストレスを受け流した心の境地。お釈迦さまの得たセロトニンの効果によく似ているのです。

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禅、ヨガ、気功など・形は違うが呼吸法基本は同じ

お釈迦さまがルーツとなった呼吸法は、さまざまな文化や舞踊、健康法と融合し、世界中に広がっています。

日本では坐禅をはじめ、丹田呼吸法があります。また、そのエッセンスを取り入れたものとして、武道や能、茶道、華道も、一見、無関係なようでいて、突き詰めれば呼吸法につながります。

インドや欧米ではヨガに形を変え、中国では、気功、太極拳などとなり、どれも健康法やダイエットなど、さまざまな目的のために使われています。目的はさまざまでも、根底にあるのは、腹筋呼吸によるセロトニン神経の活性化。

現在、行われている多くの健康法のほとんどが、セロトニンが発見される前の時代から受け継がれてきた、呼吸法の恩恵を受けた方法なのです。

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