クールな覚醒

セロトニンは、脳内でつくられる神経伝達物質

自分でつくるストレスヘの特効薬

ストレスに対抗するには大事

幸せ物質「セロトニン」とは

セロトニンは、脳内でつくられる神経伝達物質です。簡単に言うと、自分でつくるストレスヘ対抗するための薬です。セロトニンは、セロトニン神経という場所が電子信号(インパルス)を発することによって分泌され、ストレスを受け流し、幸せな気分をつくり出します。

セロトニン神経は、脳幹の真ん中の縫線核という場所にあり、その数は数万個です。脳全体の神経細胞は150億個。数を比べると、かなり少ない神経ですが脳全体の広い領域に対して、影響を与えています。

セロトニンとそれを伝える神経がセットで幸せ感をつくり出す

神経細胞は、軸索というケーブルを使って、遠くの神経に情報を送ります。セロトニン神経は、1個の神経細胞から数万個の軸索が積分かれし、広い領域にまたがって結合しているのです。その対象は、脳神経系統のほとんどにわたります。そして、意識レベルや元気さの状態を演出する役割を果たします。セロトニン神経がl空丸に働けば、脳や意識もl空丸になるというわけです。

人間にたとえるなら、ひとりで多くのパートの演奏者に楽器を奏でさせて曲全体の雰囲気をつくり出す、オーケストラの指揮者に似ています。指揮者が優秀なら、曲は素晴らしいものになります。人間の休も、脳の指揮者であるセロトニン神経を元気にすることが大切なのです。

喜びや悲しみ、理性など人間の持つ感情は大脳が司っている

は生命活動のすべてを司る、重要な場所。手足や内臓を動かす、言葉を話すといった、生活に欠かせないことはもちろん、喜びや悲しみ、怒りといった心の動き、理性や我慢など、人間らしい心の動きも、脳の働きによってつくられます。だからこそ、ストレスをダイレクトに受けてしまうのも、脳なのです。

大脳皮質は、知性の源。さまざまな動物のなかで、人間はここが大きく発達しています。言葉を話す、計画的な行動をする、モラルを守るという人間として正しい行動ができるのは大脳皮質のおかげ。大脳辺縁系は、喜びや怒り、多様な感情を形成します。その感情をコントロールするのが、前頭前野です。視床下部は、食欲や性欲など、生きていくために必要な動物的な本能を司り、生存脳とも呼びます。

セロトニン神経は体全体を調整する自立脳の脳幹にある

セロトニン神経は、視床下部の下にある脳幹にあります。脳幹は呼吸、循環、消化といった、内臓を動かす自律神経機能の中枢です。歩行、咀嚼など、運動機能を調節する神経中枢もここにあります。ひとりで生きていくための脳で、自立脳とも呼びます。セロトニン神経は、この脳幹の中央にあり、ここから脳全体の雰囲気をつくっています。セロトニンそのものも、ここからセロトニン神経を通じて各所に伝達されていくのです。

脳幹にはノルアドレナリン神経、ドーパミン神経も収まっています。赤・青・緑の、心の3原色がそろっている場所となります。

セロトニン神経は痛みやストレスにも動じない

脳の覚醒には「ホットな覚醒」と「クールな覚醒」があります。「ホットな覚醒」を演出するのは、ノルアドレナリン神経。大脳皮質を強く活性化させて、覚醒レベルを上げます。

ノルアドレナリン神経は、いわば脳の危機管理センターです。外部からの刺激に対して反応し、危険を避けるために指令を出しているのです。脳全域にわたって影響をおよぼし、セロトニン神経との共通点も多いのです。が、ノルアドレナリン神経とセロトニン神経には、決定的な遠いがあります。それは、ストレスに対する反応です。ノルアドレナリン神経は、外部からのストレスによる刺激と、体の内部の変化に反応して、覚醒レベルを上げます。対して、セロトニン神経は、ストレス刺激にぴくりとも反応しません。どんな危機的な状況でも、平然としているのです。痛みなど、肉体的なストレスに対しても、反応しません。セロトニン神経が強い人は、少しの痛みくらいでは、平然としています。逆に、少し転んだくらいで大げさに痛い、痛いと騒ぎ立てる人がいますが、それはセロトニン神経が弱っているからです。

ですから、大げさに痛がるタイプの人は、精神的なストレスにも過敏に反応して、 落ち込んだりキレたりしやすいというわけなのです。

セロトニンが出るのは目覚めているときだけ!

いつも平常心を保っているセロトニン神経ですが、光には反応します。太陽光レベルの強い光を浴びると、活発に動き出すのが、セロトニン神経の特徴です。また、セロトニン神経は、睡眠中は活動しません。起床とともに活動を始め、目覚めている間はずっと1秒間に2~3回の割合で、電子信号(インパルス)を出して、セロトニンを放出していきます。

セロトニンは早起き、早寝と相性がいい

朝、起床するとセロトニン神経がともに起き、太陽の光に反応して活発に動き始め、セロトニンがどんどん出てくるというわけです。朝日を浴びて「気持ちいい、すっきりした」と思うのは、セロトニン神経が活発に動いているという証拠です。逆に、昼夜逆転の生活で夜にむっくりと起き出し「たくさん寝たはずなのに、だるいな」と感じるのは、セロトニン神経が光の刺激を受けられず、活性化していないからなのです。

セロトニンを増やすと若返りにも効果的

地球上には重力があり、私たちは重力に逆らって生活しています。人間には、抗重力筋という筋肉があり、重力に負けないよう、体をまっすぐに保っているのですが、この筋肉がきちんと興奮しないと、姿勢が曲がり、ほおやまぶた、首筋などの緊張が落ち、たるんでしまいます。老け顔の原因でもあるたるみは、特に女性にとっては悩みの種です。

顔や体がたるんでしまうのは、年齢の影響だけではありません。ストレスがたまってくると、抗重力筋の力が弱まって姿勢が崩れ、顔の肉もたるんで、締まりのない表情になってきます。

セロトニン神経がたるみを防ぎ、アンチ・エイジング効果も果たす

セロトニン神経は、脳幹・脊髄の、抗重力筋に働きかける神経群に、直接、軸索を送っています。セロトニン神経が、直接、抗重力筋運動神経に刺激を送ることで「重力に負けないよう、ちゃんと働きなさい」という指令が抗重力筋そのものに伝わり、筋肉の力が強まることで、重力に負けない力を発揮できます。

抗重力筋の範囲は、まぶた、口のまわり、ほおなど、顔のなかでも特にたるみが気になる部分にもおよんでいます。これらの部分の筋肉も、セロトニン神経によって刺激を受けることで引き締まり、張りのある表情をつくることができるのです。それほど歳をとっていないのに、老けて見られることが多いという人は、セロトニン神経が弱っている可能性もあります。セロトニン神経を鍛えることは、もっとも安く、たるみを防止することができるアンチ・エイジング法です。

セロトニン不足は見ればすぐにわかる

まだ若いのに、なんとなく疲れた雰囲気の人、姿勢が悪くていつも下を向いているような人を見かけますよね。そういう人を見かけると、忙しくて疲れているんだな」「いろいろと大変な悩み事があるんだろう」と思うものですが、この姿はセロトニン神経が弱まっている人の姿なのです。セロトニン神経を鍛えれば、背筋もしゃんと伸び、顔にも表情が出て、若々しい姿に生まれ変わります。

背中を丸めたしょんぼりとした姿は、あまり人から好かれるものではありません。もし、あなた自身が、「最近、疲れているんじゃない?」と聞かれるようなら、セロトニン不足が外見にあらわれているのでしょう。すぐにセロトニン神経を鍛えてはつらつとした姿を手に入れてください。

脊髄の運動神経をセロトニン神経が刺激して、背筋がピンと伸びる

体を支える抗重力筋は、寝ている時間は働かず、弛緩しています。目覚めとともに、収縮を始め、起きている間にそれを続けることによって、ピンと伸びた姿勢や、引き締まった表情をつくっていきます。この機能にも、セロトニン神経が大きく関わっているのです。

抗重力筋に直接関わって、働かせているのは脊髄にある運動神経です。この運動神経に、甘口トニン神経は刺激を与え続けるのです。運動神経の抗重力筋に直接作用するわ.けではなく、運動神経の細胞にセロトニンを分泌し、それによって興奮した運動神経が抗重力筋の緊張を促し.、ピンと張らせることで、丸まった背筋が伸び、顔の肉も引き締まり、若々しい外見をつくり上げます。

脳内神経であるセロトニン神経は、体中の筋肉にも密接に関わっているのです。

活動の準備段階をつくり出すセロトニン

車を走らせるとき、スタートと同時にエンジンが全開になったら、暴走してひっくりかえってしまいます。軽快に走るために必要なのが、エンジンを低速でブルブルと回転させるアイドリングです。休も同じ。朝、起きて、1日のスタートをきるときに、これからにそなえて体を準備状態= アイドリング状態にするのが、セロトニンの役割です。この働きによって、心身が暴走せず、スムーズに動き出せるのです。セロトニン神経が電子信号を軽快に送っていれば、アイドリング状態がうまくいき、寝起きも爽快で、やる気もわいてきます。

アイドリング状態は、あくまでも動く前の状態。加速したり、止まったりする役目は、ドーパミン神経やノルアドレナリン神経が関与しています。毎日を軽快に暮らすには、赤(ドーパミン)、青(ノルアドレナリン)、緑(セロトニン)がバランスよく働くことが必要です

セロトニン神経を鍛えればうつや心の病気がどんどんよくなる

最近、うつの患者数が急増しています。会社を休職してし事つほど、重症になっている人も多く、社会問題にまで発展している状態です。

うつ病になったきっかけ(私の体験談)
https://1088note.com/my-d-trigger/

うつは脳内のセロトニンが不足して起こる病気です。また、過食や拒食をくり返す摂食障害や、パニック障害もセロトニン不足が大きく関わる病気です。

薬によって、セロトニンを増やすことで快方に向かいますが、いくら脳内物質であるセロトニンを増やしても、薬の効果がなくなると、またうつ状態に陥ってしまいます。心療内科や精神科医は、うつ患者に対して、規則正しい生活をするように指導しますが、これは自力でセロトニンを増やすための治療の一環でもあるのです。セロトニン神経を鍛えれば、薬に頼らをくても自分でセロトニンを賄うことが・でき、元通りの元気な生活に戻ることができます。

セロトニン不足は現代特有の病気

なぜ、近年になって心の病気が増えてしまったのでしょうか。それは、私たちが手にしている便利な生活が原因であると言うしかありません。電気、・コンビニエンスストア、インターネットの発達で深夜まで起きていても不自由がなく、歩く機会もずいぶん減りました。この便利さが、セロトニン神経を弱らせる原因になり、心の病気を誘発しているのです。心の病気は、現代病であると言えます。

病腐に行くほどではないけれど、落ち込みやすい、イライラする、キレやすいといった不快感のある人は、セロトニン不足による現代病の予備軍です。幸い、セロトニンは簡単な方法ですぐに増えます。明日と言わず、今日から始めて、爽快な気分を味わってください

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