アスリートはセロトニンをコントロールしている

トレーニングの際にセロトニンのコントロールは必須

世界的な記録はセロトニンの調整から生まれる

ホームラン王の記録もセロトニンの調整から

トップアスリートたちのトレーニング

トップアスリートの間で、合気道、居合道など、日本古来の武道をトレーニングに取り入れることが増えています。精神修行の一環であるという理由が一般的にあげられますが、セロトニンの存在も、これらのトレーニングに大きく関わっているのです。

王選手やイチロー選手も巧みにセロトニンをコントロールし、偉大な記録を生み出したのです。

王氏の現役時代の特徴は、かの有名な一本足打法。不安定な打撃フォームであり、あんなフォームでボールを打てるわけがないと言われたものです。

王氏は合気道や居合道の講師に教えを受け、野球の練習に反映させていました。真剣で素振りをしたという話はよく知られていますね。そして、武道を通じて、王氏はあることに気づきました。

丹田に力を入れると、ほかのどこに力を入れるよりもバランスがよく取れることを私は発見した」ということです。

武道は丹田呼吸を意識します。武道を取り入れた王氏にとっては、毎日の素振りが呼吸法と同じ腹筋リズム運動となり、セロトニン神経が活性化されたのだと思います。そして、セロトニン神経が体幹部の抗重力筋に働きかけることで、どっしりと地面に立つことができるようになり、一本足でも安定したスイングを可能にしたのです

しかも、セロトニン神経は、体幹部は強めても体の先端までは影響をおよぼしませんから、体の中心はどっしりと、腕先はしなやかに動かせるようになり、自在なバットさばきでホームランを量産できたのだと思われます。

イチローの「振り子打法」はセロトニンが働いている証拠

実は、イチロー選手にも同じことが言えます。彼もセロトニン神経を活性化させることで、大記録を更新し続けているのです。イチロー選手はストイックに練習することで有名ですが、他選手がおしゃべりをしているようなときも、いろいろな動作で体を動かし続けていますよね。その姿は、呼吸法を取り入れているように見えます。振り子打法という体をねじるフォームでも、安定した体幹部を持つことが見てとれ、あのしなやかな腕の振りもまたへセロトニン神経が充分に働いていることの証拠です。

マラソン中に配られるバナナはスタミナ補給とセロトニンのため

セロトニンを合成し、体内に増やす栄養素はトリプトファンと炭水化物、ビタミンB6です。最近、マラソン選手の間で、力ローボーディングという、試合前に炭水化物中心の食事に切り替える指導が増えています。また、L市民マラソン会場では、トリプトファンの多いバナナをコース途中で差し入れすることもあります。マラソンはリズム運動ですから、セロトニン神経が活性化されます。しかし、2時間以上もそれが続くわけですから、セロトニン神経は酷使されることになり、分泌されるセロトニンも足りなくなってしまうのです。

このため、脳内でのセロトニンの合成を助ける食物をとり、セロトニンレベルを上げる必要があります。カローボーディングやマラソン中のバナナは、スタミナ給のためだけでなく、セロトニン神経の活性化の面でも理にかなったものなのです。

ストレスと戦ってセロトニンを活性化させたお釈迦さま

2000年以上も前に、ストレスと戦い、ストレスの正体と解消する」万法を突き止めた人がいました。

仏教の開祖、お釈迦さまです。お釈迦さまは幼いころから影を落としていた死の不安をなくし、心の平安を得ることを目的として、修行の森に入って自らに苦行を課しました。断食、極寒、猛暑、猛獣と対峙するなど、あらゆる方法で体をいじめ抜き、自分にストレスを与えたのです。当時の修曝者たちの間では苦行をすることで一切の苦しみがなくなると考えられていたからです。

しかし、お釈迦さまは、6年間の苦行の末、このような苦行では心の平安は得ることができないと判断しました。そのまま修行の森を出て、菩提樹の下で蕊鉄坐を組み、静かに瞑想をしました。

ストレスはなくならない、しかし、どんなストレスも永遠には続かない

菩提樹の木の下でお釈迦さまは悟りを開きました。「生きている限り、さまざまな不満や苦しみ=ストレスからは逃れられない」(四苦八苦)「どんな幸せも、ストレスも永遠には続かない」(諸行無常)

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