「出歩く」免疫力アップの生活習慣
脳にも体にもいい刺激になる
見たり、聞いたり、歩いたりして刺激を与えることが大切
刺激は細胞を活性化させる
頭にも体にも「適度な刺激」が必要
免疫力を下げるものは、ストレスや不規則な生活であり、免疫力を高めるものは、笑いや意欲といった前向きな気持ちです。
それなら免疫力というものを難しく考えることも、お金を使ってなんとかしようとすることもありません。
日々出歩いて、人と会い、刺激を受けることが大事です。中高年を中心に、田舎暮らしに関心が高まっています。自然が豊かで気持ちが癒され、排気ガスもストレスもない生活は、夢のような暮らしです。老後は田舎で暮らしたいと考える人が多いのは、「田舎暮らしは健康的だ」というイメージがあるからでしょう。
ところが、都市部に住んでいる人のほうが、よく歩いてがんにもならず、長寿であるという意外なデータが、さまざまな調査で出ているのです。
内閣府が発表した「食育白書」の資料によると、日本人の1日の歩行数は、成人男性の全国平均で7525.5歩。都道府県によって差があり、多い県と少ない県では1日に2000歩以上の開きがあります。
成人男性の歩行数を見ると、多い順に、1.神奈川県、2.兵庫県、3.東京都、4.宮崎県、5.大阪府、と大都市が占めています。そして少ないほうの順位では、高知県、山形県、徳島県と続き、自然豊かな県ばかりです。
こういった地方のほうが、車の利用が多く、かえって歩く機会が少なくなっているのです。
都道府県別の平均寿命を見ても、男性では長寿県を上位から見ると、1.長野県、2.滋賀県、3.神奈川県、4.福井県、5.東京都と、5位以内に神奈川県と東京都がランクインしているのです。
健康長寿のためには、よく歩いて、日々いろいろな刺激を受けることが大切なのでしょう。
100歳になっても働きながら生きるが理想ですよね。これは、平々凡々と時間を過ごしたいのでは実現できないのかもしれません。
これは脳のためにも、とても重要なことです。いくら長生きできても、脳と心臓の機能は怪しくなります。他の細胞は日々生まれ変わりますが、脳と心臓の神経細胞は再生されないからです。
大脳皮質の神経細胞の数は諸説ありますが、だいたい100億~200億個あると言われ、40歳頃から減り始めて10年で5%ずつ減っていくとも言われます。わかりやすく大雑把に言いますと、高校生くらいのときに200億円持っていたのを、毎日20万円ずつ使っていくようなものです。
ですから、100歳ともなれば、脳がスカスカになってしまうのも当たり前のような気がします。しかし、脳の働きは神経細胞の数だけで決まるものではなく、神経細胞同士のネットワークに左右されます。1つの神経細胞が死んでも、他の神経細胞のネットワークでそれを補うことができるのです。
頭がいいということはこのネットワークの結びつきが強いということで、ネットワークのつながりがよければ、記憶力もいいことになります。歳をとっても神経細胞のネットワークを強化していけば、脳の衰えも防げるわけです。
記憶を定着させるためには睡眠が大事であることは先に述べましたが、脳のためにもよく出歩いて、人と会って、いろいろな刺激を受け、脳のネットワークを働かせなければなりません。そして、規則的な生活リズムで睡眠をとり、記憶を更新していくことが大事なのです。
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中高年になれば、神経細胞が減り、記憶力の衰えも感じることがあるでしょう。そんなときには、なるべく外に出て、人と会っておしゃべりをして、脳を刺激してみては はいかがでしょうか。