高齢になっても若者のように生きる長寿者に共通する生活習慣とは
長寿者には共通する生活習慣がある
世界の3大長寿国
100歳以上の長寿者が多い
100歳を超えても働きながら生活している
世界の3大長寿国は、ソ連のコーカサス地方、パキスタンのヒマラヤ山系の奥地にあるフンザと、南米エクアドルのアンデス山脈の奥の奥にあるビルカバンバです。百歳以上の長寿者が多くおられ、しかも元気に働きながら生きています。
以前コーカサスのグルジア共和国を訪ねて、精神美に鍛えあげられた中で、文明の流れを自分達の努力で阻止してすばらしい世界をつくり、いきいきと生きている長寿者の姿にふれて感動し、本当にいのちを尊く生きるとはこれなのだと大きな学びをして帰ってきました。
また、南米エクアドルのビルカバンバを訪ねたときのこと。ビルカバンバは雄大なアンデス山系の奥にあって、飛行機はロハ市という人口10万くらいの市の途中までしか行きません。それも軍用機で、気流の関係で飛んだり飛ばなかったりあてにならないのです。
そこからバスにゆられてアンデスの山道を登ります。雄大な山を眺め、コンドルがたむろし、勇壮な英姿で飛ぶ姿に出あったりして1時間。山並を分けて登りつめた2700 mのところにエクアドル南部の最大の町、ロハ市があります。
ロハ市からは下り坂、車で1時間余りでアマゾンの源流へと入って行きます。標高1450 mの谷川に沿った山道が終わると、突然ビルカバンバの村が目の前に見えてきます。
まず目につくのは、古いスペイン風の家が並ぶ村のたたずまいです。村の中心にカソリックの教会があり、村の人々はまるで時間を忘れたかのようにのんびりと生活しています。ロバがサトウキビを背中に積んでトコトコと通ります。毎日同じ道を往復しているので誰もたづなをとらない。騒音の多い東京とは違い、別天地です。都会での生活から考えると驚いていつまでもロバのいじらしい後姿を眺めました。
村に入ってまず、空気が清澄でまろやかなことに驚きました。このビルカバンバ村は赤道直下にあっても、高原なので年間を通じて気温は18~20度。湿度は65%で最適の状態です。この村に日本の星製薬の大谷社長、が応援してつくつた病院があり、村の健康管理の重要な役目をしていました。
村についてまず、日本の留学生さんの通訳で村長にお目にかかり、長寿者の戸籍を見せてもらいました。戸籍といっても教会名簿の写しです。カソリックでは幼児洗礼をするので、生まれると教会の名簿にのります。が、これは国際的には認められていないので、世界一の長寿者は120歳で亡くなった日本の泉重千代さんです。
さてここで、最年長の132歳と言われるホセ・マリア・ロアさんを訪ねましたが、残念なことに老衰で倒れてしまっていてお会いできませんでした。しかし、28歳の末娘の方にはお会いすることができました。
「私は父が100歳すぎてからの子で、あまりに年をとっているのでとても嫌でした」と笑っておられました。「父母の結婚は父54歳。母は18歳でした。父は心明るくやさしい人で、カソリックの信仰をもち、常に父母、年長者を大切に、人様を大切に、やさしくにこやかな挨拶、うそを言わない、人に迷惑をかけないことを口ぐせのように言っていました。私もそうした中で育てられました」と言います。
教育は小学校があるだけだそうです。生活は土の家で、窓がなく、昼でもうす暗い家で、電気も水道もないまったく原始的と言っでもいいくらいの生活です。家の中は土間にべッドが2つおいてあり、家具、調度品は見あたらず、炊事用の煮炊きをする台所らしきものがあるだけでした。便所もなく、風呂もない。生まれてから風呂に入ったことがないという人もいます。入浴がわりに川の水で水浴をするくらいです。
飲み水はこの川の水を沸かさないでそのまま飲み、塩は岩塩を使っているそうです。