「睡眠」免疫力アップの生活習慣
眠り方も大切。
質のいい睡眠とは
免疫力を下げてしまう睡眠にならないために
睡眠時間にふりまわされてはいけない
病気にならないためには、まずは、バランスよく栄養を摂って、質のいい睡眠をきちんととること、というのははよく言われますが、その眠り方の大事なポイントは、時間の長さではなく、何時から何時までは寝る、というような時間帯に左右される単純なものでもありません。それほど単純ではないのです。睡眠は眠くなったら眠るというものと考えている人も多いと思いますが、本来はそれでいいのですが、現実にはもっと複雑化してしまっています。
リンパ球のT細胞やB細胞といった免疫細胞に対し、免疫力に深く関わるNK細胞は、毎日生み出されているがん細胞の芽やウィルスに感染した細胞を、パトロールして巡回しています。
免疫部隊は普段休んでいて、いざというときに働きます。発熱するときは、この免疫部隊が動き出したときです。一方、日常の暮らしを守っているのは、NK細胞の巡回している細胞です。
しかし、この巡回している細胞は、加齢により働きが悪くなります。それで、高齢になるとNK活性が弱まり、病気になったりがんになったりします。ガンも40歳を過ぎたころに一気に増加します。
また、このNK細胞は、昼間は活性化され、夜になるとストンと活性が落ちるというように、日内リズムが明確です。このリズムを壊されても、NK活性は下がってしまうのです。
8:00から22:00までは活動時間というような規則正しいリズムで生活するか、あJ。るいは完全に昼夜逆転した生活でも、規則正しいリズムを守れているならいいのです。
体内時計は時間をずらしていくことが可能なので、少しずつ時間をずらしてそれを習慣にしてしまえば、体は順応できます。
しかし、あるときは朝型、またあるときは夜型、と生活リズムが一定せず不規則なのが、一番NK細胞を弱めます。
タクシーや長距離トラックやのドライバー、飛行機のパイロット、医師・看護師、夜のお仕事などのように、夜勤・昼勤のシフトをくり返したり、時差などで生活サイクルがバラバラになりがちな人は、NK活性が低くなりやすいので注意が必要です。生活が不規則になりやすい芸能人も、NK活性がとても低いことがわかっています。
もちろんビジネスパーソンでも、仕事が忙しいからと時々徹夜をしたり、時間が空いたからと寝だめをしたり、というリズムの崩れた生活をしていては、わざわざ免疫力を低下させているようなものです。
それでも若いうちは体力もありますからまだいいでしょう。40代、50代になってそのような生活を続けるのは危険です。そうしてNK活性が低くなった人は、風邪をひきやすく、病気にかかりやすく、回復にも時間がかかるのです。風邪が治るのに時間がかかるなぁ~と感じる人は免疫力を低下傾向にあります。
何時開眼らなければいけないとか、何時までには床につかなければいけないとか、夜型より朝型にしなければいけないとか、そういう睡眠法にこだわるより、毎日決まった時間に起きて決まった時間に眠る、この生活が体を守るのです。