人との付き合い方 免疫力アップの生活習慣

長生きするための人づきあいの方法

人との関わり合い方はストレスになったりする場合も

人との関わり合い方は難しい面もある

おしゃべり好きぐらいでちょうどいい

中高年の「孤独死」が社会問題として問題にされています。高齢化社会では避けられません。65歳以上の1人暮らし世帯は、2010年には450万を超えて、今後も増えていくと予想されます。

実は40~50代にも孤独死は増えているのです。仕事をやめて健康にも問題が出てきて、人と会うのが億劫になり、家にこもりがちになる… といったケースです。

よく出歩く生活習慣が免疫力を上げるというのはこういうことなのです。これは、「孤独」だから「死」に結びつきやすいのだと言えます。

「孤独死予備軍」とも言える人のライフスタイルは、「挨拶をしない、仲間がいない、親・親戚に連絡を取らない、料理・家事など動くことを億劫がる」というものです。こうして、きちんと栄養を摂らない、体を動かさない、笑わない、しゃべらない、といった生活を続けていけば、あっという間に免疫力は落ちていきます。

一方で、家族と住んでいる高齢者より、1人で暮らしている高齢者のほうが元気である、という統計もあります。

もそも高齢者が1人で暮らせるということは、買い物も料理も掃除もある程度できて、外の人と接する機会もあり、自立していると考えられます。

人は、死ぬときは誰もが1人です。死ぬときに何人で暮らしていたかより、どう暮らしていたかが重要です。

OECD(経済協力開発機構)の調査では、「友人や同僚と過ごす機会がない、まれにしかない」と答えた日本人は15.3 %。アメリカ、ドイツ、イギリスは3~5%、フランスと韓国は8%前後でしたから、日本人はあまり人づき合いに積極的ではないのかもしれません。

人づき合いがあればストレスになることも多いでしょう。しかし、ストレスを解消してくれるのもまた、人づき合いであることが多いのです。

免疫力はストレスに弱いのですから、学生時代の仲間や同僚と飲んで憂さを晴らしたり、愚痴を問いてもらったり、または家に帰って話を聞いてくれる奥さんがいたり、こういうことでストレスを発散できることも大事。

いつまでも若々しく元気な人は、たいてい腹を割って話せる友人がいて、一緒に遊びに出歩いたり、趣味を楽しんだりする仲間が多いものです。

107歳と108歳まで生きた双子の姉妹・きんさんとぎんさんは、数え年100歳のときに新聞で紹介され、テレビコマーシャルにも起用されてから国民的な人気者になりました。

実は、マスコミに登場する前は軽度の認知症を患っていたのですが、いろいろな人の取材を受けたり、あちこちに招かれて出かけたり、そのための筋力トレーニングをしているうちに、認知症の症状がすっかり改善したのです。

そして姉妹揃っていつも「ハッハッハ」と豪快に笑って過ごしていました。⊥そのぎんさんは、5人の娘さんに恵まれ、幼児期に亡くなった次女を除いた4 人がいずれも長命です。2012年には、97歳、93歳、90歳、8歳になった姉妹の暮らしがテレビで紹介されました。

いずれも夫を亡くして、姉妹で一緒に住んでいたり、一人暮らしをしていますが、4人で毎日集まってはおしゃべりに花を咲かせており、この楽しいおしゃべりがどうやら健康長寿の秘訣のようです。

なんでも話せておしゃべりを楽しめる仲間は、この世への「命綱」と言えますね。アメリカ・シカゴ大学のカシオッポ教授の研究チームは、イリノイ州に住む50 ~67歳を対象にした調査で、「孤独は高血圧の引き金になる。一方、友達や社会的なつながりによって高血圧を防ぐことができ、その効果は、定期的な運動や減量並みである」と結論づけています。

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