インフルエンザ 免疫力アップの生活習慣

インフルエンザウィルスを甘く見てはいけない

ウィルスに向き合う

予防接種を受ける理由

冬になると話題になる「インフルエンザワクチン」。「ワクチンを打つか、打たないか」で迷う方も多く見かけます。生活術とは言えないかもしれませんが、ワクチンとどうつき合っていけばいいのか、ワクチンの仕組みとともに知ることは健康を守る上で非常に意義あることだと思います。

毎年猛威をふるうインフルエンザなど、ウィルス感染に由来する数多くの病気は、体の免疫力が低い人ほど発症します。このインフルエンザに対しては、まず免疫の軍隊を訓練するワクチンの予防接種が大事です。

インフルエンザは、1 月頃渡り鳥によって日本に運ばれてきて、ぼつぼつと発症が始まり、冬の間に流行していきます。そのうち、多くの人がインフルエンザにかかったり、ワクチンを接種したりするので、3月頃には日本人全体に抗体ができて、インフルエンザウィルスは日本にいられなくなり、流行は終息する、というのが毎年見られる現象です。

この強力なインフルエンザウィルスをいまだに風邪の延長のようにとらえている人がいるようです。これは、かつて世界的に流行したインフルエンザを「スペイン風邪」「香港風邪」などと訳したのが大きな間違いでした。

通の風邪を引き起こすのは、アデノウィルス、ライノウィルス、 コロナウィルスなどのウィルスで、「風邪」と呼ばれる症状を起こすものだけでも40〜50種類あります。風邪をひけば、咳や鼻水が出たり喉が赤く腫れて痛んだり多少発熱したりしますが、栄養を摂って安静にしていれば、日常生活にそれほどさしつかえありません。死なない病気ですから、ワクチンをつくる必要がないのです。

なお、風邪はウィルスによるものですから、細菌に向けてつくられた武器である抗生物質を投与しても、効き目はありません。

一方、インフルエンザウィルスによって引き起こされるインフルエンザでは、38 度以上の高熱が出て、関節痛など神経の症状が出ますから、仕事や勉強どころではありません。

気管支炎や、肺炎、脳症といった合併症に進行することもあり、体力のない幼児や免疫力の低下している高齢者、もともと持病がある人には、死に至るかもしれない大変怖い病気です。ワクチンがなかった時代には、世界中で何千万人という人がインフルエンザにかかって亡くなりました。

現在でも、インフル工ンザウィルスが直接の原因ではなくても、それによって引き起こされた症状で亡くなる人が、年間- 万人にものぽると考えられます。このようにインフルエンザは、死ぬ可能性があるのでワクチンが開発されているのです。

毎年流行する前にワクチンを接種しておけば、免疫が働いてインフルエンザにかかりにくくなったり、かかっても軽症で済んだり、合併症を防いだりできます。

インフルエンザには3つくらいの型があり、ワクチンはその年に流行しそうな型を予測してつくられるため、実際に流行した型と合わなければ効果がないと言われることもありますが、まったく効かないわけではありません。ある程度の効果は必ずあるものです。

日本では、1990年代にインフルエンザワクチンの有用性が疑問視され、子どもたちへの集団接種も廃止されたことから、ワクチン接種率は数%にまで落ち込みました。その後、65歳以上の高齢者に効果があることがわかり再び増えてきましたが、全体的に接種率はまだまだ低いと言えます。

欧米では「インフル工ンザを人に伝染さない」という考えで予防接種を受ける人が多いのに対し、日本では「自分に副作用が出たら嫌だ」という考えで予防接種を受けない人が多いようで、困ったものです。

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