「前向き」免疫力アップの生活習慣
前向きなポジティブ思考はが体にいい影響を与える
気力や気持ちが体に与える影響
気持ちの体への影響大きい
最終的には気持ちによるところが大きい
免疫力を上げるためには、困難や病気に「立ち向かおう」とする強い意志を持って生活することも大事です。
カナダの医学者ハンス・セリエ博士は、ストレスを「外部からの刺激によって起こる歪みに対する生体の反応」と定義して、初めてストレス学説を提唱しました。このストレスには、気温や騒音などの物理的なもの、薬物や化学物質などの化学的なもの、怒りや悲しみといった精神的なものがあります。
免疫力を下げるストレスで大きいのは悲しみのストレスです。しかし、ストレスというものは過剰であれば害になりますが、一方的にマイナスなものばかりではありません。
イギリスの医学雑誌『ランセット』で紹介された症例があります。
早期の乳がん患者を、告知された後の心理状態によって4つのグループに分け、10年後のそれぞれの生存率を調べたものです。
Aグループは、がんを告知されたことで、もう助からないと死刑宣告を受けたように落ち込み、無力感・絶望感にとらわれた人々です。
Bグループは、消極的にがんを受け入れた人々。治療は医師に任せ、自分からは積極的に働きかけようとはしませんでした。
Cグループは、自分ががんであるということを無視した人々。医師の説明に真剣に耳を傾けようとせず、病気から目をそらそうとしました。
Dは、がんと闘おうとした人々。「がんになんか負けてたまるか」「治すためなら何でもやってやる!」と思って病気に立ち向かったのです。
その結果、初めは同じような進行状態のがんでしたが、10年後に大きな差が出ました。
生存率がもっとも低かったのは一番悲観的なAグループで、わずか20パーセント。消極的なBと現実逃避型のCはもう少し高くて、70パーセントというもっとも高い生存率を記録したのは、「負けてたまるか」精神のDグループでした。
気持ちの持ち方で、生存率に3.5倍もの差が出たのです。
また、アメリカのデータですが、末期の乳がん患者を集めて2グループに分けた調査もあります。
一方のグループには、モルヒネで痛みを壌和し、牧師に天国の話をさせて安らかな生活を送らせ、もう一方のグループには、モルヒネを使わず、痛くてもがんと闘え、と鼓舞して頑張らせた。
どちらが長生きしたと思いますか? 片や3ヶ月くらいで亡くなったのに対し、多くが3年ほど存命したのは、頑張らせたグループでした。がんを意識して、必ず治してみせるという信念のもとに闘病したことが、実際に病気の進行を遅らせたのです。
ストレスがNK細胞の活性を弱めてしまいますが、逆に、病気にも立ち向かおうとするポジティブなストレスは、NK活性を高めます。
いつでも「笑って」「前向きに」生活する。これだけで免疫力が高まるのですから、やたら薬を飲む前に、今日から気持ちを切り替えましょう。