足裏を温めると血圧が下がる
手を温めると血圧が下がる
塩を入れて浴室で行うのがポイント
体のトラブルや悩みを抱えて私のところに来られるお客さまのうち、およそ9割は足裏が冷えています。リフレクソロジー(主に足裏の反射区を用いる刺激療法)を行いますが、施術を通じてそれを実感しています。もっとも、私が指摘するまでほとんどの人は冷えを自覚していて、ご自分から「冷え症です」とおっしゃいます。
このように、足裏が冷えている人からは、肩こり、腰痛、足のむくみ、生理痛、生理不順、不妊症 などの訴えが聞かれます。足裏は、下半身の血流の折り返し地点です。足裏が冷えているということは、ここでスムーズに血流が折り返せていないことを意味します。
すると下半身、ひいては全身の血流が滞りがちになり、こりや慢性痛、むくみ、女性なら生殖器系の症状が出やすくなるのです。 立ったり座ったりしているとき、足裏は床や地面に接しているので、どうしても真っ先に冷えてしまいます。
靴下や暖房器具で温めても、体質的に冷えやすい人は、なかなか足裏の冷えを解消できません。そこで、足を芯から温めて足裏をポカポカにするために、私がお勧めしているのが、塩を活用した「足浴」です。
足浴というと、部屋にシートを敷いて、お湯を運んで…など、手問のかかるイメージを持つ人も多いでしょう。私は、こういった手問を省いて手軽に行えるように、浴室で行うことを 提唱しています。用意するものは、容量が12L程度のバケツと天然塩、イス、バスタオルです。
塩は、精製塩でなく、ミネラルをたっぷり含んだ天然塩を使います。なかでもミネラルが多いのは岩塩ですが、海の塩でも構いません。イスは、浴室の中でも滑らずに使える安定したものを選んでください。
バスタブのへりに腰掛けて行ってもいいでしょう。行うときは、洋服を着たままで構いません。用意ができたら、40~41℃ のお湯をバケツに入れます。湯温の目安は、入浴するときの熟め のお湯くらいです。足をバケツに入れたとき、ひざ下の長さの3分の1までが、お湯につかるようにしてください。
そのお湯に、カレースプーン山盛り1杯の天然塩を入れ、かき混ぜて溶かします。天然塩を加えると、豊富なミネラルの働きで、お湯が冷めにくくなります。会合同時に、肌にもミネラルが吸着し、体への温熱・保温効果 もぐんと高まります。バケツの前にイスを置いて腰掛け、足をバケツの湯につけます。バスタオルを、バケツと下半身を一緒に覆うようにかぶせ、両端を太ももの下に挟み込みます。こうして8~10分ほど足浴をします。やっているうちに、足裏はもちろんのこと、下半身から上半身までポカポカと温まってきます。
3ヶ月で体質改善する
つい先日も、体験者の若い女性に足浴をしてもらいました。最初は悪かったその人の顔色は、足浴をする問にみるみるよくなって、健康的なバラ色の肌になりました。
ほかにも、「体の緊張が取れて体が軽くなった」「額から汗が出てきた」という感想もいただきました。 サーモグラフィーで体温の変化を調べたところ、全身の体温、将に顔の体温が上がっていました。また、筋肉の硬さを測る筋硬度計での測定では、腰の筋肉がほぐれて柔らかくなっていることがわかりました。足という折り返し地点の血流をよくすると、このように、全身の体温を上げ、緊張を取る大きな効果が得られるのです。「全身浴をすれば、足も温まるから同じでは?」と思う人もい るかもしれませんが、「足だけを温める」ところに大きな意味があります。全身の血液の温度に落差を作ることで、高いところから低いところに一気に水が流れるのと同じように、血流が効果的に促されるのです。
この塩足浴は、1日1回でも有効ですが、1日2回(自由な時問に行える人は10時と15時ごろ、会社勤めの人は朝と帰宅後)行うとより効果的です。続けていると、症状が劇的によくなってきます。まずは3ヶ月続けてみると、体質が確実に変わってきたのを実感できるでしょう。
特に、不妊に悩む女性たちに、私は「100時問を目標に足浴をしましょう」と勧めています。多くの人は、100時間に達する前に、念願かなって懐妊の報告をしてくださいます。 足裏が冷たくて、さまざまな症状に悩んでいる人は、ぜひ塩足浴をお試しください。