足裏を温めると血圧が下がる

手を温めると血圧が下がる

足裏には腎の機能を高めるツボがある

東洋医学では、「冷えは万病のもと」と考えられています。体が冷えると免疫力(病気に対する抵抗力)が低下し、さまざまな不調や病気が出やすくなるからです。

足は、全身の中でも特に冷えやすい部分です。足を温める方法はいろいろありますが、特にお勧めしているのが、調理用のアルミホイルを足の裏に当てる「アルミホイル療法」です。家屋の断熱材や防災グッズの 保温・防寒用シートにもアルミが用いられていることからもわかるとおり、アルミホイルはとても高い保温力を持つ素材です。

つまり、体温が外へ逃げて行くのを防ぎ、体から出る遠赤外線が、体を温める方向へ向かうということです。すると、体の深部の体温が上がり、血行もよくなって温かくなるのです。足の裏の土踏まずの指先寄りには、湧泉というツボがあります。

このツボは腎臓や泌尿器・生殖器などの働きを司る腎の軽絡( 一種の生命エネルギーで気の通り道) の起点となる重要なツボです。

アルミホイルで足裏を温めることは、冷え症の改善はもちろんのこと、腎の機能を高めることになります。イボ痔、前立腺肥大症、膀胱炎、生理不順や生理痛、PMS(月経前症候群)、冷えのぼせ)、食欲不振や下痢などの胃腸障害、腰痛、ひざ痛、頭痛などの改善が期待できます。特にイボ痔に関しては、短期 問で出血や痛みが止まったケースも少なくありません。

例えば、前立腺肥大症による排尿困難の治療で私の元を訪れた61歳の男性がいました。アルミホイル療法を指導したところ、わずか1日で痔の痛みが止まり、尿の出がよくなり、1週間で肛門の出血も治まったのです。

前立腺肥大症が原因で痔を併発することは、よくあります。膀胱から尿の出口を取り囲むように存在する器官が前立腺でここが肥大すると尿道が圧迫され、尿の出が悪くなるなどの症状が現れます。さらに、肥大した前立腺が直すのに役立つのです。 腸を圧迫すると、肛門部の血行も悪くなり、肛門の静脈がうっ血を起こします。

すると、静脈瘤という小さなイボができ、イボ痔になります。アルミホイルで足裏を温めると、足だけではなく肛門部の血行を促すので、痔を治すのに 有効です。

トイレが近くて尿の色が薄い人に

アルミホイル療法の注意点は、肌に直接当てないこと。アルミには吸湿性がないため、アルミホイルを当てた部分が温まって汗をかくと、湿疹ができたりかゆくなったりする恐れがあるからです。

湿疹やかゆみなどを防ぐために、アルミと肌の問に吸湿性のある布を挟んでおくことが必要です。木綿や絹の靴下をはいた上にアルミホイルを置き、その上から靴下を重ね履きするといいでしょう。

靴下を重ね履きすることにって空気の層がきて、より保湿効果も高まります。 アルミ療法は寝ている間だけでも1日中アルミホイルを当てておいてもいいでしょう。 足が冷える人は足の裏全体をアルミホイルで覆って寝るとより効果的です。

足のアルミホイル療法は、漢方でいう陽虚体質の人に適しています。手足が冷える、トイレが近い、尿の色が薄い、、血圧が低いなどの陽虚体質の特徴で更年期の女性や高齢者に多く見られます。 逆に汗かき、暑がり、手足がほてる、血の色が濃い、のぼせやすい、陰虚体質の人には合わないのでNGです。

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