お腹・腰を温めると便秘が解消
お腹・腰を温めると便秘が解消
体の芯から温める
今から2~3年ほど前、私は座骨神経痛に悩まされていました。原因は、通勤に使っていた外国製のスポーツカーです。通勤では高速を利用して40分も運転をします。
手足の長い外国人の体に対応したシートで、無理な姿勢を長時間、続けたのが腰にはいけなかったのでしょう。車を買い替えて半年ほどたったころから、運転後に腰の痛みや右足のしびれを感じるようになりました。 しかし、腰が痛いからといって、すぐに車を買い替えるわけにはいきません。そこで、さまざまな対策を講じました。
その1つが、腰とおなかを同時に温める「ダブルカイロ」という万法です。私はもともと薄着で過ごすのが好きで、寒い季節でも薄手のジャケット1枚で過ごしていました。 体が冷えれば、体温が奪われないよう、筋肉や血管が自然と縮こまります。これでは血流が悪くなり、痛みは増すばかりです。
そこで、使い捨てカイロで体を温めてみることにしました。カイロは、へその下と、腰の心地よいと感じる個所にはりました。以前、冷え症の専門家に、おなかと腰の両側から体を挟むようにして温めると、全身が速やかに温まると聞いていたからです。 私は、薄い下着の上にカイロをはり、入浴時を除いてほぼ1日中、そのままの状態で過ごし ました。実際に試すとわかりますが、この方法は、確かに手足の先まで温まります。手足に直接カイロを当てるより、体の芯からしっかりと温まる感じがするのです。 座骨神経痛の痛みとしびれは、その後1~2年ほどで解消しました。
透析患者の痛みにも
ほかにも生姜紅茶や炭酸泉入浴で体を温めたり、水中ウォーキングなどで腰の筋力を鍛えたりするなどの対策を講じていました。そのため、使い捨てカイロだけで座骨神経痛が解消した、とは断言できません。
それでも、痛みとしびれの解消に、使い捨てカイロは大いに役立ったと感じています。
私は、このおなかと腰の両側に使い捨てカイロをはって体を 温める方法を、人工透析の患者さんにもお勧めしています。人工透析を受けると血流が悪くなるため、腰やおなかなど体のあちこちが痛くなりがちです。 しかし、この方法で体を温めると、血流がよくなり痛みが軽減するようです。ほかにも、生理痛や胃痛、首や肩のこりなども、この方法で症状が軽くなることがあると思われます。
体を温めると、自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経) のバランスも整います。私たちの体は強いストレスにさらこ、つされると、自律神経のうちの交 感神経(全身の活動力を高める神経)が過剰に緊張します。その結果、血管が収縮して細くなり、血流が滞りやすくなります。体も冷えてしまうのです。しかし、その冷えた体を温めると、縮こまっていた血管が広がり、血流がよくなります。同時に、交感神経の緊張も緩和されるのです。
うつの治療でも、全身を温める温熱療法があります。日ごろ強いストレスを感じている人、気持ちが沈んでいる人、リラックスしたい人は、ぜひ使い捨てカイロでおなかと腰を温めてみてください。